VTへの投資を再考する
こんにちは、青空ビーチです。
私は投資信託の毎月の定額積立の他に、投資比率のリバランスを兼ねてETFの買付を行っています。(詳しくは投資方針参照)
このうち、現在投資対象としている海外ETFのVT(バンガード・トータル・ワールド・ストック)について変更を考えています。
なぜ変更するのか、代わりとなるETFは何があるのかを見ていきましょう。
なぜVTに投資をしていたのか
まずは、VTに投資するメリットについて考えてみます。
・全世界株式への投資を考えた時、信託報酬が0.08%と最安水準
・海外ETFなので確定申告によって外国課税分を取り戻せる
・ドル転とETFの買付のタイミングをずらせるため、為替と株価それぞれで有利な時期を選べる
・世界最大級の運用会社が運用しており、流動性が非常に高い
次にデメリットについて
・ドル転の時に為替手数料がかかる
・海外ETFなので取引手数料が高い(楽天証券はVTの買付手数料は無料ですが、売却は手数料がかかります)
・海外ETFなので、日本の取引時間でリアルタイムな取引ができない
・確定申告をしないと二重課税分の税金が取り戻せない
これらメリットとデメリットを総合的に勘案して、全世界株式ETFへの投資を考えた場合にVTが適していると結論付けました。
また、これまで国内ETFには全世界株に投資する優良な商品が見つからなかった、というのも理由の一つでした。
二重課税調整制度スタート
さて、投資に詳しい方なら既にご存知とは思いますが、2020年1月から日本において二重課税調整制度が始まりました。
詳しい説明は省略しますが、要はこれまで投資対象が海外だった場合、分配金などに外国所得税と日本の所得税が二重に課税されていたため税制上不利になっていました。
海外ETFでは確定申告をする事でこの外国所得税の分を取り戻す事ができましたが、国内ETFではそれも出来ませんでした。
ところが今年から課税の際に、二重課税調整制度によって自動的に外国所得税の分の税金を控除してくれる事になったのです。
全世界株式を対象としたETFに投資する場合、これまでは海外ETFに投資して確定申告で二重課税分を取り戻すのが税制上有利でしたが、これからは国内ETFに投資しても煩わしい確定申告を抜きにして自動的に二重課税問題を回避できるという訳です。
なんと素晴らしい制度なのでしょう!これにより、もはや税制上の問題点からわざわざ海外ETFを選ぶ必要は無くなりました。
MAXIS全世界株式の登場
もう一つVTへの投資を再考するに至った理由として、MAXIS全世界株式(2559)の登場が挙げられます。
これは2020年1月に設定された、比較的新しい全世界株式を対象とした国内ETFです。
信託報酬は何と驚きの0.078%(税込0.0858%)で、VTの0.08%とほぼ同等水準。
同社の大人気投資信託「eMaxis Slim 全世界株式」の0.104%(税込0.1144%)をも凌駕する低信託報酬です。
もともと国内ETFなので取引手数料が安い上、楽天証券であれば取引手数料ゼロ円銘柄の対象となっているので、売買にもコストはかかりません。
国内ETFなので日本の取引時間に取引できるのも良いですね。
採用している指数はVTがFTSEグローバル・オールキャップ・インデックスなのに対し、MAXIS全世界株式はMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスとなっています。
この両者は構成銘柄数などに若干の違いはありますが、全世界株の成長に賭けるという観点から見れば誤差の範囲と言って良いでしょう。
ここまで書けば既にお分かりと思いますが、私は全世界株式クラスの投資対象ETFをVTからMAXIS全世界株式に変更しようかと考えています。
MAXIS全世界株式の不利な点
これまでVTに匹敵する低信託報酬、二重課税の自動調整、為替手数料がかからない事などMAXIS全世界株式のメリットについて見てきました。
ではデメリットは何があるのでしょうか?
一つは、VTに比べて流動性が低い事です。
巨大運用会社であるバンガードが展開し全世界で取引されているVTに対し、三菱UFJが主に日本市場で展開するMAXIS全世界株式はどうしても流動性で劣ります。
設定されて9か月が経過しますが、一日の取引量は平均すると2000~3000株といったところでしょうか。
一応マーケットメイク制度の対象銘柄となっているので、流動性不足により著しく不利な取引を強いられるという事はないはずですが、設定されて日が浅い事もあり若干の不安はあります。
もう一つは、為替と株価を切り離した取引が出来ない事です。
例えば海外ETFであれば株高であっても円高の時にドル転をしておいて、株安になったらドルで株を買う、といった事が出来ます。
しかし日本円で購入する国内ETFに関しては、株価と為替がセットになってしまっており、株価は買いたい水準だけど為替的にはあまり買いたくない、といった状況が考えられます。
こうした状況に関しては、臨機応変にVTと使い分けをする必要もあるかもしれません。
まとめ
以上、VTとMAXIS全世界株式について比較しながら見てきました。
結論として、私は既に購入したVTはそのままホールドする予定ですが、今後の買付に関してはMAXIS全世界株式をメインにしていこうと思っています。
ますます雑食度合いが上がりますね(笑)
まだまだ歴史が浅く取引量の少ないETFなので、様子を見ながら徐々に軸足を移していくというイメージです。
流動性に関してはマーケットメイク制度の対象銘柄という事で過度に心配はしていません。
為替に関しては、著しく不利になりそうな時はVTと使い分ける事で問題を回避しようかと思っていますが、今後は積極的にVTの買い増しは行わない予定です。
デメリットもありますが、為替手数料が不要になる事や日本時間の日中に取引できる事、確定申告をしなかった場合でも二重課税が調整される事などメリットの方が大きいと判断しました。
リバランス対象のETFを変更するだけなので投資信託の積立は引き続き平行して行います。
あくまで私個人はこうしますという話で、MAXIS全世界株式の方が絶対的に良いという事ではありません。VTも引き続き魅力的なETFだと思っています。
という事で、ご自身に合った快適な投資ライフを!
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