債券をポートフォリオに入れていない理由
最近…という訳でもなく結構昔からですが、投資で迷っている事があります。
それは、ポートフォリオに債券を加えるべきかどうか、という事です。
この事に関しては金融の専門家の間でも意見が分かれるようですが、どちらかと言えば株と債券の両方に投資する方が望ましい、という意見が主流のように思います。
債券を買っていない理由
さて、現在の私のポートフォリオには、債券はほぼ入っていません。
強いて言えば8資産バランスファンドを持っているので、その中の一部に国内外の債券が含まれています。
しかし債券の投信やETFは持っていません。
実は過去に何度か、お試しで少しだけ債券を買った事はあります。その時にどんな値動きをするのか、どの商品が良いのかそれなりに調べました。
しかし考えるほどに、いつもラビリンスに迷いこんでしまいます。「ハッキリ結論が出ないなら手を出さない」というのも一つの選択肢なので、結局、本格参入はしませんでした。
しかしおぼろげながら調べて分かった事もあるので、以下に特徴と参入しなかった理由を書いていきます。
日本国債・米国債
債券と一言で言っても、様々な種類のものがあります。大きく分けると国公債と社債、それぞれに国内と国外があるという感じでしょうか。
その他に、直接購入するものと投信やETFを通して間接的に購入するもの、という分け方もできそうです。まずは直接購入する債券について考えていきます。
個人向け国債は直接購入しやすい日本の国債です。償還時には決まった金額を受け取れる(値動きが無い)上に利息も受け取れるので利益の計算がしやすく、抜群の安定性がありますね。
欠点としては利率が非常に低い事です。2020年6月現在の利率を調べた所、変動・固定ともに年率0.05%でした。
正直これだったら、銀行預金と大差ないですよね。ネット銀行の定期預金の方が利率が良いくらいです。
管理や換金の手間、振込などの利便性を考えると、私は日本国債を買うなら現金預金で良い、という結論になりました。
私の使っている楽天証券では、他に米国債なども直接購入が可能でした。しかしこちらも金利は年率2%前後と日本国債より少し良い程度でした。
値動きが無いという事は裏を返せばキャピタルゲインも無いという事なので、この利率がそのままリターンになります。
外国債券の場合は国債とはいえ為替リスクもあるので、個人的にはこの程度の利率でリスクを取る気にはなりませんでした。
社債・外国社債
続いて社債についてです。こちらも国内外のものがあり一部は直接購入ができるようです。
しかしどうやらたまたま一般向けに発行される社債が購入できるだけで、株のようにいつでも好きな会社の社債が買えるという感じではないようです。(自信無いので間違えていたら教えて下さい)
そして償還期限もあるので、その都度自分で新しく入れ替えの債券を探して購入していかねばなりません。株のように長期放置という訳にはいかないようです。
これは、機関投資家ならともかく私のように片手間で少額を投資をする人間には少し面倒ですね。
そして個別株と同様、個社の社債に関しては倒産リスクがあります。という事で、基本的に分散志向である私には向かないと感じました。
債券投信・債券ETF
最後に債券投信や債券ETFです。こちらはファンドを通じて間接的に債券を購入する事になります。
中身としては世界各国の公社債なのですが、こちらは発行のタイミングに合わせて買わなくても良く、株のファンドやETFと同様に好きなタイミングで好きな商品を購入する事ができます。分散も効いているので安心ですね。
そして通常は残存期間を見ながら、短期~長期まで債券の入れ替えをファンドが行ってくれます。このため一度購入すれば自分で入れ替える必要がなく、放置できます。個人投資家にはピッタリですね。
という事で現実的には債券投信か債券ETFが有力候補なのですが、一つ欠点があります。それは投信やETFでは価格が変動するという事です。
本来、債券そのものは満期(償還日)まで待てば額面金額が払い戻される(=価格変動しない)のですが、途中で売買する場合には金利や発行体の信用度等の変化により価格が変動します。
もちろん株よりははるかにマイルドな値動きですが、値下がりする事もあるという事です。
債券は市場と逆相関がある?
ではどんな値動きをするのでしょう。実は私が一番分からないのはここの部分です。凄く単純化してしまうと、
・好況(株価上昇)だと市場金利が上がり債券価格は下がる
・不況(株価下落)だと市場金利が下がり債券価格が上がる
というように、株と債券には逆相関の関係があるとされてきました。しかし近年では必ずしもそうではないようです。特にリーマンショックの時には株につられて債券価格も下落するという現象が起きました。
株価は景気と比較的シンプルに連動しており、株を保有していれば好況が続き物価が上がっても長期で見れば購買力が追従してきます。
しかし債券に関しては上記のように、好況時に値下がりしたり不況時に値上がりしたり、購買力の維持という観点では短期的には逆の動きをします。
さらに長期ではインフレに対して為替調整後でプラスなのかマイナスなのかよく分からなかったり、先のリーマンショックの例のように株価に相関する動きをしてみたり。
自分の勉強不足を棚に上げて言いますが、値動きがとても複雑で分かりにくいんですよね。おそらく金融の専門家でも、例えば「好況時に債券価格はどうなるか」と聞かれて容易には答えられないと思います。
さらに外国債券だと、国家間の金利差、それに伴う債券価格の変動(金利の安い国の債券は売られ、高金利の国の債券が買われやすい)、さらに為替も金利差が密接にかかわってくるので、なんだか考えていると頭がグチャグチャになってきてしまい、結局どうなるのか私の頭では整理不能でした。
低金利政策
もう一点、これは短期的な目線ですが私が債券投資に躊躇している理由があります。
それは、現在はゼロ金利政策と言われるように金利が低すぎるという事です。
マイナス金利なんて話も出てきていますが、短期的にオーバーシュートする事はあっても、私はやはり金利はゼロ付近が下限値だと思っています。
という事は、これからは金利が上がる事はあっても下がっていく可能性は低そうです。せいぜい現状維持でしょう。
金利が上がるという事は債券価格が下がるという事なので、これから債券価格は下がる事はあっても上がる可能性は低い、というのが私の考えです。(長期で見た場合に合ってるかは分かりませんが)
今後、金利が上がってくるようであれば再考の余地はありますが、現時点では積極的に債券に投資する理由はあまり無い気がしています。
まとめ
という事で、私が何故債券に投資していないのかを書いてきました。
簡単にまとめると、
・直接購入において日本国債のリターンは現金預金と大差ない
・外国債も為替リスクを覆せるほどリターンに魅力がない
・期間ごとの入れ替えで管理や売買が面倒
また債券投信や債券ETFのような間接購入では値動きがあり、
・好景気に値下がり
・物価が上がると値下がり
と景気や物価に逆行する傾向がある。つまりインフレに弱い。
逆に不況や物価値下がり、デフレには強いが、これは現金も同様なので現金比率の調整で債券と同様の効果が期待できる。
そしてシンプルな値動きの株に比べて、なんか値動きが複雑でよく分からない。
といったところでしょうか。
勘違いしないで頂きたいのは、先日の記事でも書いた通り株にフルインベストはあまりお勧めしていません。
リスクを抑え、値動きをマイルドにするため債権を取り入れるのは理に適っていると思います。
しかしリスクを抑えるだけなら現金比率で調整した方が、よりシンプルかつ低リスクだというのが現在の私の考えです。
債券で得られるリターンを犠牲にする事になりますが、その分リターンの高い株の比率を上げて調整する事もできますしね。
最初からお伝えしている通り、私は債券がよく分かっていないので間違えている部分もあるかもしれません。今後意見が変わる可能性も大いにあります。
何しろ「よく理解できないものには手を出さない」というのが債券を買ってない主な理由ですから…。
という事であくまで「へ~、こんな考え方もあるんだな」くらいに見て頂ければ幸いです。
※追記:山崎元さんの記事も私の考えと似ていたので、ご紹介します
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